公開講演会「心はつながりを求めている」を開催しました

2019年4月21日(日)午後1時30分より島根学習センター4階第2講義室において第7回通常総会の第1部として総会記念市民公開講演会「心はつながりを求めている」~電話の向こうから~ を開催しました。

電話から聞こえてくる声、顔も分からない、どこから架けているかも分からない。 1本の電話線でつながる声と声。それは人と人との出会い。一期一会の出会いである。その出会いは今、生きてここにいる私、分かってと伝えているかのようだ。 予期しない苦しみ、悲しみの中で喜びが見えなくなってしまう。孤独の中で、迷いの中で懸命に 生きようとする姿がそこにある。人は人とのつながりを求めて生きている。その心にどれだけ寄り添っていけるのか?自分に問いかけながらの日々。
講師はこの分野の第一人者の荒木伸子さんです。講演の主な内容は次の通りです。

私の相談活動のはじまりは
・人とわかり合える関係を求めて
・カウンセリング体験学習の道に飛び込む
・私の中の原風景(おじいさん、おばあさん時代)に支えられて
・社会とのつながりの中で生きて行きたい

相談活動に携わって、感じること
・ひとりひとりの深い心の影に出わさせてもらっている
・孤独の中で迷いの中で、懸命に生きようとする姿に尊さを感じている
・私生きてここに「いる」よと、心に語りかけ、つながりを求めている

苦しみの中にいる人々の心の叫び
〈ぼく、生きていいですか〉
〈ぼく、なんで生まれてきたか教えてください。苦しいです〉
〈私、子どもをたたきそうです。助けてください。もう子どもはいらん〉
〈ぼく、さみしいよ~。お母さん出て行った)

不登校の子どもの出会いと自立していく姿
・ぼくこれ「起死回生」~いじめから
・親に本音が吐き出させた瞬間
・夜登校からはじまる

現代社会は病んでいる
・自殺者の統計では、島根県は全国平均で4番目。たまに5番目や7番目になっているが、4番目が多い
・最近は自殺者を自死者と言い換える。これは自殺者は自分で死の選択をするが、自死者は自分ではなく、死にいやおうなく追いやられるからだ
・不登校やひきこもりは、若年層や高齢者に多い
・心の病気や貧困、格差も増えている
・虐待、DV、いじめ等も最近急激に伸びている

私たちはどんな助けができるでしょうか
・聞くことや答えることは言葉や事柄を指している
・一方、聴くことや応えることは心や感情、怒り、こうげき、悲しみ、憎しみを表す
・心と心の通う合う関係が失われた社会で、気持ちは共感できる

終わりに
・今、心はどこにありますか、自分を知ること ⇔ 他者の心を知る(感じ取る)
・谷川俊太郎の詩「いる」肯定的(あたたかい) 声を繋いでともに