公開講演会「松江城天守国宝指定の秘話」を開催しました

2月7日、島根学習センター3階の第1講義室において公開講演会 「松江城天守国宝指定の秘話[国宝指定の決め手は] -国宝・松江城天守完成時の祈祷礼と堀尾氏の宗教的背景-」と題して、今回の国宝化に向けて文字通り陣頭指揮をとられた松江市史料編纂室の稲田信氏を迎え,非常に多くの参加者を得て行われました。

講演の内容は

・松江市での国宝化に向けての動き
・松江城国宝指定に至る伏線(1)
・松江城国宝指定に至る伏線(2)
・松江城築城にかかわる史料-後世の文献で語られてきた松江城築城物語-
・城戸論文の指摘(昭和41年「仏教芸術」60号において、城戸久氏が発表)
・平成24年5月21日 祈祷礼再発見(市内寺社史料調査により松江神社で)
・祈祷礼と堀尾氏の宗教的背景(1) 松江城の鬼門と裏鬼門(千手院・報恩寺)
・祈祷礼と堀尾氏の宗教的背景(2) 高野山・龍生院
・築城に際し行われた三態、三様の祈祷 (鎮物 三点、鎮宅祈祷礼 四枚、祈祷礼 二枚の写真から)
・現在に伝わる4枚の松江城古写真から (明治27年、市民有志の手によって松江城は崩壊の危機を免れた。 松江城を大切に思う市民の心には歴史がある。)
・これから何をすべきか-継続的な史料調査と研究体制の必要性-

のように非常に多岐にわたるものでしたが、特に祈祷札の再発見とその祈祷札が掲示されていた城の地階の柱の釘穴が見つかり一致したときのお話は感動的であった。
今後、計画に沿って「松江市史」(全18巻)の刊行のために、継続的な調査や研究の必要性を説かれました。