第8回通常総会記念講演会を開催しました

演題「つみっく」~被災直後から活躍するDIYツール

2020年6月20日(土)13:30から、第8回通常総会記念講演会(第14回市民公開講座)が、三島昌彦氏(株式会社 「つみっく」代表取締役社長)を講師に招き、島根学習センターにて開催されました。

「つみっく」とは、間伐材を利用した木製のブロックで、積み木のようにブロックを積み上げることで、特別な知識や技術がなくても、セカンドハウスや部屋を分割する間仕切り、ミニロフトなどセルフビルドが可能なものです。

10cm単位のモジュールで短時間に自由な空間をくみ上げることが可能で、高い強度を有しているため、震災が多発する日本において木造住宅の耐震化やベッドシェルターなど災害から命を守る取り組みへの活用ができるものです。

講師の三島氏からは、「つみっく」を開発するきっかけとなったのは、前職のとき「中山間地域の過疎化をどう止めるか」をテーマに県庁での勉強会に参加したことがきっかけだった。検討のなかで、農村で都会のリストラ者をの就農を計画したが、居住する住宅問題が解決できず頓挫したことから開発をすることになった。「つみっく」は繰り返し使える建材で、製造歩留まり95%と無駄のないものであるとのこと。実物を見ながら解説をいただいた。

また、実際に東日本大震災での取り組みや熊本地震支援の状況も映像とともに解説いただいた。
近年日本各地で地震が相次いでいることから、今回紹介いただいた「つみっく」は、防災の観点でもまた環境負荷についても優れた機能を有していることが理解できた。ただ、一般的な普及には様々な課題があることもあわせて紹介いただいた。今後は経済論理による普及だけでなく、防災・環境・コスト面など総合的な優位性を国民のなかで共有し、社会的な取り組みに発展することを期待する。
(記 石川直樹)