平成29年度第1学期の学位記授与式・卒業を祝う会が開催されました

平成29年度第1学期学位記授与式が、9月24日(日)午前11時から島根学習センター3階第1講義室で開催されました。第1学期は教養学部23名が卒業され8名が出席された。また、初めての卒業は18名でした。最初に佐々学習センター所長より学位記が卒業生おひとりお一人に手渡され会場の出席者とともに大きな拍手でその栄誉を讃えました。

次に佐々学習センター所長から式辞があり、まず、第1学期を振り返ると個人的には6月の公開授業「たたら製鉄をめぐる科学と文化」が心に残った。特に第2日目の奥出雲町の棚田を見学したとき、さわやかな青空の下、ごくごく自然の風景を映し出していた。たたら製鉄はよく砂鉄の採取などで自然を壊したのではないかといわれるが、棚田に姿を変え、永続的に産業を育みどこの地域よりも美しい景観を作り上げ、生活を豊かにした。以前、ある少女が作文の中で「夕やけを見てあまり美しいと思わなかったけれども、文字を覚えて始めて本当に美しいと思うようになった」と記していた。人は生きるうえで、なぜ学ぶのか、学ばねばならないか、学びを通して自らの立ち位置が分かります。今日、目的の一つである節目を迎えられました。人は学びながら生きる存在です。家族、同僚、学友に支えられ、合わせて卒業という節目に次の学びのステップを迎えて欲しいと励まされました。

続いて来賓として足立前学習センター長と竹下同窓会会長から祝辞がありました。足立先生は「学位記」にまつわる話に続いて次のエピソードを紹介された。ある4人家族がお母さんの卒業のお祝いの会を開いたとき、娘さんの提案で他の3人の卒業証書を並べたとき、娘さんから「お母さんの卒業証書が一番値打ちがある」といわれたとき、涙が止まらなかったそうです。卒業証書には長い道のりの中でひとり一人の物語が込められているので大切にしてくださいと述べられた。

竹下会長は卒業生に経験と知識を生かして実社会でも地域においても少なくともリーダー的存在なっていただきたい述べ、映画監督で脚本家でもある河瀬直美の「忘れられていいこと、忘れてはならないこと、忘れなければならないこと」をきちんと判断する力、また文化人類学の梅棹忠夫の「請われれば差し舞える人物になれ」とのことばを引用し、日頃からの準備の大切さを述べられました。

在学生を代表して生活と福祉コースの仙田悦子さんが送辞を述べられた。先輩の皆様は放送大学の特徴を活かし、家事や子育てを両立させながらも単位を積み重ねて志を貫かれました。また、面接授業のグループワークでは、発表のとき、経験と知識によって緊張していた顔を笑顔に変えていただいたことなどの思い出を述べられました。卒業生を代表して生活と福祉コースの中本真由さんが答辞を述べられた。希望と不安で胸がいっぱいであったが、放送大学の授業はラジオやテレビ、ネットを活用して繰り返しながらひとり一人のペースで学ぶことができました。談話室では普段は話すことがなくとも、切磋琢磨して良い関係を築くことができた。面接授業は鳥取から通っていたが、病気がちだったので最後まで授業を受けることができるか心配でしたが、先生方の配慮によって終えることができた。人生では学ぶことは多くあり、多くの困難が立ちはだかると思いますが、学ぶ楽しさに乗り換えていきたいと述べられました。続いて客員教員から卒業生おひとりお一人に花束が贈呈され会場を退場されるとき大きな拍手でご卒業を祝福しました。

学位記授与式を終えた後、会場を4階第2講義室に移し同窓会主催の食事会を兼ねた「卒業を祝う会」を開催し卒業生は6名が出席されました。はじめに竹下会長、佐々学習センター所長の挨拶がありました。また、学友会より学友会会員の卒業生に手作りの記念品が贈呈された。客員教授の挨拶に続いて卒業生よりこれまでの苦労話や今後の抱負が述べられた。一学期は卒業できないと思っていたけれど思いもかけず合格したこと、20年前は子育てで断念したが、やはり勉強したいということで入学したこと、やっぱり知らないことは恥ずかしいという気持ちがあったこと、臨床心理士の認定を受けたが、心理学の幅は広いと感心したこと、何を学んだかをよく聞かれるが多角的に学ぶことができ良かったたこと、解からないことがあると客員教員に相談したこと、単位認定試験の前は自分の体調を整えたことなどを話され、時間はアッという間に過ぎ和やかな雰囲気の中で閉会した。