島根県委託事業「市民公開講演会と健康チェック」を開催しました

10月13日(土〕、島根県消費者団体教育機能強化事業の委託を受け、「消費者市民社会の構築に向けて~地産地消と健康寿命を考えるつどい~」を松江市民活動センター(スティックビル)5階 交流センターで午後1時から開催しました。当日は約50名が参加されました。

開会にあたり、司会の石川副会長の挨拶の後、竹下同窓会会長、佐々学習センター所長が本会開催の目的と意義を述べられました。続いて、つぎの2題の講演が行われました。

講演1.「美味しまね認証」制度~農林水産物の安全と美味しさのために~
講師は島根県農産園芸課 食の安全推進室からお迎えしました。講演の概要は次の通りです。

・「美味しまね認証」を認められた品目は現在(H30.7.10)182である。
・食品を選ぶときに重点的に考えるのは安全性(77%)、価格(56%)、おいしさ(33%)で、他に生産期、鮮度、産地、生産者、表示内容、栄養成分、商品名等である。
・通称「美味しまね認証」制度は「安全性が高く、おいしい」島根県産農林水産物を島根県知事が認証する制度である。認証の可否の判断や、認証基準の決定は、学識経験者、消費者代表、食品衛生専門家などで構成する第三者機関が行う。
・美味しまね認証の基準設定品目は、農産物-青果物、穀物、茶、畜産物-鶏卵、肥育牛、生乳、林産物-菌床きのこ、原木きのこ、水産物-いわがき、内水面養殖魚等であるが、品目個々に基準を設定している。例えば「しじみ」はないが、これは基準のチェックが難しいからである。
・美味しまね認証の基準は3階層になっており、安全を確保する基準、品質を確保する基準、地域の独自性を確保する基準から成っている。島根県の特徴はこのように多段階になっていることである。
・内容は例えば安全性を確保する基準の生産工程管理基準は、農場の運営体制、出荷物の安全、環全保全、作業者の安全であり、農場の場合、整理整頓し清潔なほ場や作業場を維持し、肥料や農薬は適切に保管され、使用日、量、濃度などの記録があることが必要である。また、品質を確保する基準として、嗜好性基準(農産物が対象)と安全強化基準(畜産物、林産物、水産物が対象)がある。
・生産者の目から美味しさのアピールポイントを提案することもできる。例えば、「島の香り隠岐藻塩米」は隠岐の豊かな自然環境のイメージと相まって高い評価を得ている。
・美味しまね認証マークは「縁結び」と「水引」をモチーフに消費者に贈り物の気持ちを込めている。認証された農林水産物に、認証マークを使用することができる。
・工程管理での最終チェックは栽培の工程を一つ一つ確認して記載している。
・美味しまねの実践農場の例として、衛生管理の徹底、作業・管理の記録、記録簿の保管、用具の整理、事故発生時のマニュアル、作業上の注意事項や危険箇所の掲示を挙げられた。
・「美味しまね認証マーク」の他にも「有機JASマーク」「島根県推奨エコロジー農産物」「ふるさと認証食品(E-マーク)」のマークがある。細かく観察すると良い。

講演2.食品表示の見かた
講師は松江保険所衛生指導課からお迎えしました。講演の概要は次の通りです。

・食品表示は、食品を摂取する際の安全性の確保と自主的で合理的な食品の選択の情報源として重要な役割を果たしている。
・「食品表示法」は食品衛生法、JAS法、健康増進法の食品表示に係る規定を一元化し、平成27年4月1日からスタートした。(消費者庁の所管)
・一般用加工食品の表示について例えば「うなぎのかば焼き」では、原材料名では原産地表示が必要となり、アレルゲン(アレルギーの原因となる物質)の表示方法が変更され、栄養成分表示が義務化された。添加物は原材料名と明確に区分して表示する必要がある。また、製造者と販売者も区別して表示する。
・栄養成分表示新たに包装された消費者向けに販売される加工食品および添加物は、原則として栄養成分が必要になった。
・保存方法(保存温度等)と消費(賞味)期限は密接に関係している。保存の方法は食品の特性に従い表示する。期限の表示には図のように「消費期限」と「賞味期限」がある。
・アレルゲンの表示の対象はアレルゲンを含む原材料で
(1)特定原材料7品目(えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生)
(2)特定原材料に準ずるもの20品目(あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン)がある。
・アレルゲンの表示は個別表示(個々の原材料の直後に括弧書きする方法)を原則とする。
・特定原材料等と同一のものであると認められる代替標記と拡大表記がある。(例)えび⇒(代替表記)海老、エビ (拡大表記)えび天ぷら、サクラエビ
・ふくじん漬けと冷凍コロッケについての個別的義務表示例を示された。
・消費者の皆様に対して表示をみて、正しく食品を利用していただきたいと述べられた。

講演終了後、「スポーツ吹矢」体験と「健康チェック」を行った。
スポーツ吹矢は島根県吹矢協会の方のご指導の下、まず、基本動作(1.礼をする 2.構える 3.筒をあげる 4.息をはく 5.息を吸う 6.吹く 7.息を構える 8.礼をする)を教わってから、的に向かって矢を吹いた。スポーツ矢吹が初めての人にとっても大変楽しい経験になったと思います。

健康チェックは参加者の血圧、握力、骨密度、肺活量をそれぞれ測定し、各自の健康状態の確認のため役立てようとするものです。尚、測定にあたっては、肺活量を除き、看護師資格を持つ同窓会会員が支援しました。

会場では「美味しまね認証」取得者である(株)出雲精茶さんのご協力で「お茶の試飲会」が開催され、島根のお茶のおいしさを再認識しました。