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鳥取西部地域 公開講演会と会員懇談会を開催しました

平成28年10月1日(土)に米子市の米子コンベンションセンター 5階 第5会議室において公開講演会と鳥取西部地域会員懇談会を二部構成で開催いたしました。当日は公開講演会は30名、会員懇談会は20名の参加があり、多くの出席者から種々の質問や、意見、要望があり、盛会の内に終わりました。

1.公開講演会「日本の城郭 米子城」(13:30~15:30)

講師として今年度1学期の面接授業「日本の城郭史-松江城」を担当され好評だった金澤雄記氏(国立米子工業高等専門学校助教)をお招きした。講演の概要は次の通りである。

1)そもそもphoto2b天守とは
・巨大な武器庫(土蔵)で殿と姫が城下を見下ろすことはない。
・ここは生活空間ではなく普段の生活は別の建物である御殿で過ごす。
・万が一戦争になった時の司令塔である。米子城は天守が二つあるが、過剰防衛の拠点であり、象徴であった。

2)天守の歴史
・関が原(1600)から武家諸法度(1615)までは正に一国一城の築城ラッシュであった。(第1次築城ブーム) それ以降は新築は行われていない。
・明治前期に廃城令が出て故意的に8割が取り壊された。米子城はここで取り壊されたが、松江城は櫓や御殿等は取り壊わされたが、天守は市民運動によって残った。
・第2次大戦中に名古屋城、広島城、岡山城、首里城など9天守が戦災で消失したため、現存するものは、姫路城、松本城、犬山城、彦根城、松江城など12天守のみである。
・昭和30~40年代にかつて戦災によって消失した城、廃城令によって取り壊された城の地元からの天守を復元してほしいという要望が強く第2次築城ブームが起こった。しかし鉄筋コンクリート造りの外観復元が多い。
・平成10年頃から昔のままで木造で完全に復元しようとする第3次築城ブームが起こった(掛川城、大洲城、首里城など)。また御殿(名古屋城)、櫓(熊本城)なども復元された。
・今後、昭和年代に復元された天守は耐用年数を超えると木造での再復元の可能性がある。(第4次築城ブーム?)

3)米子城の歴史と復元
・1591年 吉川広家が築城、1596年頃小天守を築く。1600年 中村一忠が増築し、1601年頃大天守を築く。建築年代が10年異なる2基の天守がある珍しい例。
・明治初期 廃城令によって解体。古写真は1枚残る。
・復元には古写真、設計図、写生的な絵が必要。
・小天守は三重四階、不等辺五角形平面で内部は完全に分かり、外観は推定できる。設計図や史料が残っているので実際に復元しようとすると、日本で木造完全復元の可能性がある数少ない天守である。
・大天守は四重五階、矩形平面で、外観は大体分かり、内部は推定できる。実際に復元しようとすると、やや史料不足であり、木造5階建ての建築は建築基準法のネックになる恐れがある。
・その他、城郭の見学の際の石垣から築城年代を見分ける方法や復元の際にはどの位費用がかかるかといった興味深い話があった。

2.会員懇談会(15:40~16:50)

photo2a会員懇談会は一昨年の浜田、昨年の出雲に続いて3回目である。公開講演会の後、同じ会場で佐々学習センター所長、北川広報主任のご出席の下、多くの同窓会会員、学友会会員と共に下記のようなことについて活発な意見交換を行い有意義な時間を過ごしました。

・島根学習センター開設20周年記念事業の準備状況
・カリキュラム改正について
・各会報(だんだん、たたら、学友会だより)を含めた広報のあり方、幅広い年代へのアプローチ、フェースブックの利用
・面接授業への要望
・学習相談の利用、だんだんセミナー、だんだんサロン等への参加

「平成28年度第一学期卒業を祝う会」が盛大に開催されました

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去る、平成28年9月25(日)、学位記授与式終了後、島根学習センター4階第二講義室において、卒業生を祝う会が開催されました。本会は同窓会が主催し学習センターが共催して行われたものです。今回の出席者は3名と前回に比べ少しすくなかったですが、会はいつものように大いに盛りあがりました。お祝いには佐々島根学習センター所長様、各客員教授の皆様も参加していただき、緊張から解放された卒業生の晴れやかな表情でとれも華やかな雰囲気のなかで行われました。

はじめに、竹下会長から、卒業生・修了生の努力や支えていただいた方への感謝を込めて、お祝いの挨拶がありました。また、最近のニュースを例に放送大学の認知度アップの必要性についての話があり、またあと少しで100名の大台に乗ることから、同窓会への加入のお願いもありました。

恒例により、食事をとったあと、卒業生の方々からひと言ずつ苦労話や今後の抱負などを話していただきました。
卒業生の方からは「二度であり最初のときより苦労は少なかった」、参加された3名の方はいずれも「継続入学したい」、などそれぞれに思いを語っていただきました。続いて、出席いただいた客員教授のみなさまからも、お祝いの言葉や担当されている専門の紹介などもしていただきました。

その後、同窓会のメンバーから作文の時間での活動状況や自身の取り組んでいる状況の紹介などをしていただき、時間いっぱいまで和やかな、ひと時を過ごし終了しました。
(記 石川直樹)

 

平成28年度 第1学期学位記授与式が行われました

photo4-1平成28年度第1学期学位記授与式が、9月25日(日)午前11時から島根学習センター3階第1講義室で開催されました。第1学期は教養学部16名の方が卒業され8名が出席された。また、初めての卒業は9名であった。最初に佐々学習センター長より卒業生おひとりお一人に晴れの学位記が手渡され会場の出席者ともにその卒業を讃えました。

photo-5-2次に佐々学習センター所長から式辞があり、今夏の感動がまだ覚めやまないリオデジャネイロオリンピックでの松江市出身錦織圭選手が96年ぶりのメダル獲得の活躍に触られ、スペイン・ナダル選手との対戦の第2セットを落とし何度も気持ちが落ちかけたときも、集中力を切らさず、勝利と銅メダルへの執念をもち、勝利後も仲間へ感謝の気持ちを忘れませんでした。卒業生の皆様にも錦織選手の思いと重なる部分があったと思います。家族、同僚、学友など多くの人の支えがあったと思われますが、これからもさまざまな目標に向かっていきいきと豊かに歩まれることを望まれました。

続いて来賓として足立前学習センター所長と竹下島根同窓会長から祝辞がありました。足立先生は湯浅邦弘著”超入門「中国思想」”から孟子、孔子らの思想を引用し、卒業生にはなむけのことばを贈られました。竹下会長は同窓会は社会貢献にさらに一歩を踏み出したい。皆様には放送大学で学ばれた知識を地域社会の多くの方面で役割を果たしてほしい。そのためにはリーダーとして推されてもその準備をしてほしい。そして同窓会に入会して放送大学との繋がりを保っていただきたいと述べられました。

在学生を代表して生活と福祉コースの佐々木惇敏さんが送辞を述べられた。この日を迎えられた先輩の向学心や不屈の精神を学ぶと共に放送大学の「教養はエネルギーだ」をモットーとし、さらに学習に励みたいと述べた。続いて卒業生を代表して心理と教育コースの小村朋子さんが答辞を述べられた。大学を卒業することは長い間の念願であったので、短大卒業後、家庭との両立等幾多の困難を経験したが、放送大学全科履修生として再挑戦した。さまざまな支援や刺激を得ながらも乳幼児心理学など学ぶ楽しさを味わうことができ、今後も学び続けたいと述べたphoto5-3

続いて客員教授から卒業生おひとりお一人に大きな拍手とともに花束の贈呈がありご卒業を祝福しました。

放送大学島根学習センター開設20周年記念公開講演会開催のお知らせ

放送大学島根学習センターはその前身である放送大学島根地域学習センターが平成8年10月に松江市に開設されてから本年10月で20年が経過しました。これを記念して次のような記念講演会が開催されることになりました。多くの卒業生にとってもっとも縁が深い島根学習センターに思いを起こし、多くの皆様のご参加をお願いいたします。

日時 平成28年11月12日(土)14:30~16:30
会場 島根県立美術館ホール(松江市袖師町1-5)

講演1(14:35~15:35)

演題 脳型コンピュータ
講師 岡部洋一 (放送大学学長)

昨今、何回目かのAIブームである。コンピュータが碁のチャンピオンを破ったということで、コンピュータが人間を越えるシンギュラリティと呼ばれる時期や効果まで議論されている。これは1950年代頃から始まった生物の脳を模した神経回路と呼ばれる研究に立脚している。また、1980年代には日本の研究者も大きな貢献をしている。この講演では、こうした歴史を踏まえ、神経回路を用いた脳型コンピュータを概観するとともに、現在できることとできないことの境を明示する。

講演2(15:45~16:30)

演題 松江藩主・松平治郷の功績「財政再建と茶の湯文化の振興」
講師 藤間 寛 (島根県立美術館学芸専門官・松江歴史館学芸専門監)

定員 180名(入場無料、申込不要)

お問合わせ先 放送大学島根学習センター
Tel.   0852-28-5500    Fax  0852-28-1800    E-mail  shimane-sc@ouj.ac.jp

島根県立美術館 交通アクセス
http://www.shimane-art-museum.jp/guide/index.html#access